ハニカミ王子の石川遼君、何事にも動じない宮里藍ちゃんなどゴルフ界にも若さと活力が出てきています。日本のゴルフ人口も昔と比べずい分多くなりました。
しかし、現実社会を見ると、最近はいろいろな事件が起こり、社会のルールが乱されてきています。昔のように頭ごなしに口うるさく教えてくれる上司や先輩がいなくなったのも事実です。役人の服装もそこまでやっていいのかというようなノーネクタイのクールビズなどがもてはやされています。
ゴルフについても、自分の失敗は棚に上げキャディーさんに当たり散らす人もいれば、後続組のことなど一切気にしないスロープレーヤーもいます。マナー違反をしていても本人にはその自覚が無く、「我れ関せず」というゴルファーが増えているためと考えられます。
嘆かわしいことです。このままではゴルフの大衆化と言えば聞こえはいいのですが、本当のゴルフが消えていくこととなるでしょう。
2008年からドライバーの使用がSLEルール適合クラブ(低反発仕様)となります。最近のゴルフ用品は飛びの研究が盛んに競い合われ、その上に技術革新がともなって本当に良いクラブが出来ています。あまり飛びすぎて隣のホールまで行くことが多くなっても困るのですが、飛ぶことによりプレーヤーが慢心し天狗となり、品格まで変わってもらっては困ります。
ゴルフは、ただボールを打って穴に入れさえすれば、どんな格好で何をしてもよく、自分だけ楽しめばいいという単なる遊びではないのです。英国スコットランド生まれで、歴史と伝統と礼節を重んじる品格のある紳士淑女のスポーツなのです。
また、ゴルフの精神は自然との共生を尊び、惻隠の情を持った伝統ある日本の思想とも合致しています。大自然を相手に技術的にも戦略的にも精神的にも奥が深く、ゴルフ特有のマナーもあればエチケットもあります。もちろん、自己に対して厳格なルールもあります。
ゲーム的には、広大な大自然を相手に14本のクラブを使い、打ったボールをできるだけホールに近づけ、いかに少ない打数でホールに入れるかを競うゲームで、1打1打ごとに一喜一憂します。
ゴルフのコースは普通18のホールに分かれ、それぞれ違うレイアウトで造られています。単純なホールばかりではすぐに飽きてしまい、面白味もありません。それぞれがあるがままの自然で、歴史を感じ、優雅で、戦略性に富み、そして時にプレーヤーが自分の筋書にない思いがけない経験ができるコースが、伝統と風格を有した名門と言われるコースです。
また、ゴルフのプレーでは1打1打の結果に反応して感情の変化が起こるメンタルなところもあります。運不運もあり、それでゲームの流れが変わるときもあります。そういう思わぬ出来事に対しても冷静に対応するのが、ゴルフをよく知った、ゴルフがうまいと言われるゴルファーです。
何が起こるか分からないのがゴルフなのですから、OBに打ち込んでもクラブのせいにしなくてもいいし、愚痴など言うのはもってのほかです。突発的な出来事も想定(可能性)の範囲内とし、次の打開策を自分で考えればいいのです。OBもまたゴルフの楽しみのひとつです。自分の意に反しない出来事が起きたからといって、その都度、冷静さを失っていたのでは品格あるゴルファーとは言えません。
ゴルフとは何か? ゴルフとはどういうスポーツなのか? ゴルフの技術とは? ゴルフにおけるマナー、エチケットとは何なのか? これを極めなくてはいけません。歴史と伝統と礼節を重んじる優雅なスポーツとしてのゴルフをしっかり勉強して、コースに出てもらいたいものです。
ゴルフの本当の楽しみが分からない人には、ゴルフをする資格はありません。この本を読んで本当のゴルフの楽しみ方、ゴルフの神髄を知っていただくことを期待します。
この本は逓信新報に1999年9月1日(木)から2006年10月11日(水)まで、7年余りにわたって「知らなきゃソン損ゴルフ教室」として連載していたものを集大成したものです。皆さんのご支援もあり連載も100回を超えて続けさせていただくこととなったところです。
いろいろ書いていくうちにゴルフ随想から技術論、ボールの飛行理論、マナー・エチケット、ゴルフ心理・精神論、仕事とゴルフに至るまでオールラウンドのゴルフ論となりました。まさにこの本1冊を、読む人が読めば、「ゴルフとは何か」という最低限のゴルフの品格を見いだせる仕上がりとなっています。どこから読んでも何から読んでも一話完結型となっています。
書き終えて1冊の本にまとめる時、「ゴルフの品格」という大それたお題目を、お叱りを受けるのを承知の上で付けさせていただきました。2006年の流行語大賞に「品格」が選ばれましたが、まさに「品格」という言葉は、ゴルフに最もふさわしい言葉ではないかと思います。
皆さんもどうぞ手にとって読んでいただき、本当に品格あるゴルフが身に付くかどうかは、読む人の努力次第として、ゴルフとは何か、ゴルフの本質、ゴルフの楽しみ方を感じ取っていただけたら幸いです。それが品格あるゴルフにつながるものと確信しています。
皆さんも背筋をピンと伸ばし、大いに品格あるゴルフを楽しんでいただきたいと思います。
はしがき
第一章 飛びの品格
第一話 理屈を知らなきゃゴルフは上達しない
第二話 ゴルフボールはなぜ飛ぶのか
第三話 ヘッドスピードが速いだけ飛ぶ<飛球法則Ⅰ>
第四話 芯に当たれば飛ぶ<飛球法則Ⅱ>
第五話 振った方向にボールは飛ぶ<飛球法則Ⅲ>
第六話 フェイスが真っ直ぐ当たれば真っ直ぐ飛ぶ<飛球法則Ⅳ>
第七話 打ち込む角度が正しければボールは上がる<飛球法則Ⅴ>
第八話 クラブにはそのクラブの飛距離がある
第二章 曲がりの品格
第九話 ゴルフボールはなぜ曲がるのか
第十話 ボールは回転するから曲がる
第十一話 打ち出しは振った方向に
第十二話 ボールの飛んで行く9つの方向
第十三話 ボールの軌道により打ち方が判る
第十四話 曲げる練習が上達の早道
第三章 技の品格
第十五話 飛距離を伸ばそう
第十六話 クラブの弧を大きく
第十七話 力をストレートにボールに伝える
第十八話 クラブを振ったら円盤ができるか
第十九話 目標に正しく向いているか
第二十話 無意識の正しい構え
第二十一話 構えの手順
第二十二話 ゴルフの決断
第二十三話 ティーショットの決断
第二十四話 フェアーウエーの決断
第二十五話 アプローチの決断
第二十六話 パットの決断
第二十七話 ゴルフの狙い所
第二十八話 アッパーブローはドライバー
第二十九話 アイアンはダウンブロー
第三十話 道具に意志を伝える役のグリップ
第三十一話 握りの角度により飛ぶ方向が違う
第三十二話 金づちコック
第三十三話 ゴルフヘッドも手の一部
第四章 練習の品格
第三十四話 間違った練習はやめよう
第三十五話 練習場での注意事項
第三十六話 イメージトレーニング
第三十七話 目的を持って練習しよう
第三十八話 6畳一間でドライバーが振れるか
第三十九話 練習場によっても上達が違う
第四十話 練習場でのアイアンの打ち方
第四十一話 練習場での狙い所
第四十二話 ドライバーでのドローの打ち方
第四十三話 フェアーウエーを目一杯使う
第五章 粋への品格
第四十四話 風は曲もの
第四十五話 風の判断
第四十六話 ボールは風まかせ
第四十七話 子供のゴルフに学ぶ
第四十八話 遠心力の利用
第四十九話 筋力にも性格がある
第五十話 ゴルフにおける眼の役割
第五十一話 打ち直しは平常心
第五十二話 判断は自分の責任
第五十三話 ゴルフクラブ14本の役割
第五十四話 ゴルフ10段階意識進化論
「楽しさいっぱいから悟りのゴルフへ」
第六章 あるがままの品格
第五十五話 ゴルフの大原則「あるがままにプレーせよ」
第五十六話 ゴルフは自然との闘い
第五十七話 打って入れるまでの4つの基本原則
第五十八話 1つの球でプレー
第五十九話 OKパットも一打
第六十話 パーシステム
第六十一話 ハンデキャップの歴史
第六十二話 ハンデキャップの楽しみ
第六十三話 シングルの格
第六十四話 コースレート
第六十五話 ハンデキャップの決め方
第七章 プレーの品格
第六十六話 ゴルフの格式と伝統
第六十七話 ゴルフの礼儀
第六十八話 自分にしてほしくないことは人にもダメ
第六十九話 クラブは凶器
第七十話 ゴルフボールも当たれば痛い
第七十一話 名誉あるオナー
第七十二話 打とうとしている人の邪魔をしない
第七十三話 スロープレーは嫌われる
第七十四話 打ち込み厳禁
第七十五話 地球は柔らか肌
第七十六話 グリーンが命
第七十七話 ボールを打つ人のそばでは静止画像
第七十八話 ティーショットでの前方の確認
第八章 ゴルフ万歳
第七十九話 ゴルフで夢を
第八十話 感謝感謝の呟きで70台
第八十一話 ゴルフの楽しみ
第八十二話 ゴルフと仕事
第八十三話 ゴルフ上手は仕事も出来る
第八十四話 お昼のお酒
第八十五話 お酒でスコアアップ
第八十六話 昔マージャン今ゴルフ
第八十七話 トイレの中のひらめき
第八十八話 ゴルフは脳の活性化
第八十九話 接待ゴルフ
第九十話 「サマ」で分かる上手下手
第九十一話 ゴルフとメンタル
第九十二話 ゴルフ上達三原則
第九十三話 教え魔
第九十四話 ゴルフは考えるスポーツ
第九十五話 単身赴任のゴルフ
第九十六話 OKあり
第九十七話 研究心のないものは去れ
第九十八話 長生きするにはゴルフに限る
第九十九話 ゴルフの魅力
第百話 ゴルフ万歳
付 録 サラリーマン仕事とゴルフの10箇条
あとがき